勉強する場を奪われた子どもたちに、学べる場を
コラボ・スクール(認定特定非営利活動法人カタリバ)

コラボ・スクール1

震災後の課題

宮城県女川町と岩手県大槌町は、東日本大震災による被害が特に激しかった地域です。ここには地震発生から5年たった今も、仮設住宅での生活を続ける子どもたちがまだまだたくさんいます。落ち着いて学ぶ場と居場所を失った子どもたちの多くは、集中して勉強できる環境にありません。また、長期化する復興に子どもたちの心は大人たちが考えるよりもずっと敏感に反応しています。5年たった今だからこそ、日常的に寄り添い、支える空間の提供を継続的に行うことが必要とされています。

被災地での活動

女川町と大槌町に設立したコラボ・スクール(女川向学館、大槌臨学舎)は、子どもたちに「震災があったから、夢をあきらめた…」、こうした悔しさを抱いてほしくないとの思いから生まれた放課後の学校です。数学・英語などの基礎学力の学習、インターネットを使った英会話などの発展的な学習の支援と心のケアを行い、未来の復興を担うリーダーの輩出を目指しています。

コラボ・スクール2

プロジェクト学習を通じて、町の復興のために行動

生徒が地域や身の周りの問題解決に向けて、自らプロジェクトを立ち上げ実際に行動する「マイプロジェクト」学習を行いました。女川向学館からは高校生7人、大槌臨学舎からは8人がマイプロジェクトを実行し、内6人がマイプロジェクトアワード2015地域大会に参加。1人が全国大会まで進み、「個人商店を起点とした町おこしのプロジェクト」で個人部門・全国3位に輝きました。

コラボ・スクール3

女川向学館で幼児クラスがスタート

復興を急ぐ女川町では、小さな子どもたちが安心して遊べる場所がまだ充分ではありません。「家の周りに一緒に遊ぶ子たちがいない」「もっと思い切って遊ばせてあげたい」という保護者の声を受け、2015年7月、女川向学館に幼児クラスを開講しました。小学校生活へスムーズにつなげられるよう、楽しく学ぶ機会をこれからも届けていきます。

コラボ・スクール4

これまでの成果

2015年度は、園児から高校生まで366人をサポートしました。
大槌臨学舎へ通う中学3年生の96%が「コラボを通して、学習の仕方がわかるようになった」と回答。また、基礎学力の向上に加え、インターネットを通じた英会話学習、新聞記事を利用した読解力講座、科学実験など発展的な学習の機会の提供も行いました。

今後のビジョン

長引く復興の中、女川・大槌の子どもたちを取り巻く生活・学習環境はまだ万全とは言えません。将来、町を担う子どもたちの心のケアと、自分自身で「未来の答え」を見つけ出す生き抜く力を持った人材の育成・輩出は、喫緊の課題となっています。コラボ・スクールは地域との連携を深め、保護者、教育委員会、学校の先生、地域住民などの関係者と共にこれからも継続的に子どもたちの成長を見守っていきたいと思います。

メッセージ

コラボ・スクールのような場所は以前の女川町にはありませんでした。生徒たちは勉強だけではなく、町外の様々な人たちと出会う機会をもらって、将来の可能性を広げているように思います。未だ、町のいたるところで工事をしていて、大人以上に子どもたちは常に心が“落ち着かない感じ”を、ずっと持ちながら過ごしています。そんな子どもたちにとって学校と家以外の居場所となるコラボ・スクールは必要だと感じています。

メッセージ

運営団体について

認定特定非営利活動法人カタリバ

NPO力タリバが取り組む社会課題は、未来を生き抜く意欲や能力が、生まれ育った環境によって左右されてしまうことです。すべての子ども・若者が、自ら思い描いた未来を切り聞いていけるために、私たちが育てるのは「生き抜く力」です。
首都圏をはじめ全国では、高校生の心に“火を灯す”キャリア学習プログラム「力タリ場」を、東北では、子どもたちのための放課後学校「コラボ・スクール」などを展開しています。

認定特定非営利活動法人カタリバ

住所
〒166-0003
東京都杉並区高円寺南3-66-3
高円寺コモンズ 203
電話番号
03-5327-5667
Webサイト
http://www.katariba.or.jp/