塾や習い事に通えなくなった子ども達へ、教育の機会を
学校外教育バウチャー提供事業(一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン)

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photo by Natsuki Yasuda/studio AFTERMODE

※このページの情報は、2012年度のものです。最新の情報はこちらをご覧ください。

震災後の課題

震災による経済被害によって、多くの子ども達が塾や習い事、体験活動の学校外教育の機会を失いました。2011年度に引き続き、今回も1200名(定員の12倍以上)の応募があったことから、震災から2年以上が経過した今もなお被災家庭では厳しい経済状況が続いていることが分かります。応募者の半数以上が、住宅全壊や原発被害で避難を余儀なくされた子ども達です。
「多額のローンが残り、教育費を捻出できない」「進学をあきらめた」
といった声があがっています

被災地での活動

CFCでは、学びの機会を失った子ども達に“学校外教育バウチャー(クーポン券)”を提供しています。バウチャーは、①塾や家庭教師などの教科学習、②キャンプやハイキング等の体験活動、③サッカー、野球、水泳などのスポーツ活動、④ピアノ、絵画などの文化活動、⑤英会話、習字などの習い事で利用できます。子ども達は、バウチャーを利用して、一人ひとりの特徴やニーズに合った学びの機会を得ることができます。

CFC 3

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学校外教育バウチャーの提供

今年度は176名の子ども達が、バウチャーを利用してそれぞれの夢や目標に向かって活動しました。バウチャーの利用先は学習塾、ピアノ塾、スイミングスクール等、様々です。現金給付と違い、バウチャーを支給することで、使途を教育サービスに限定できるため、確実に子ども達に教育の機会を届けることができます。

CFC 5

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大学生ボランティアが子ども達を見守る

大学生ボランティアが子ども達と月1回の電話や面接を通じて、進路や学習、バウチャーの利用方法等に関する相談にのりました。1年以上面接を継続することで、子ども達と大学生は少しずつ、信頼関係を深めていきました。子ども達からは「本当のお兄さんみたいな存在」「毎月の電話を楽しみにしている」等といった声もあがっています。

CFC 4

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これまでの成果(2012年度)

●中学3年生の100.0%が高校に進学(41名/41名)
※高校進学率全国平均:98.3%(出典)文部科学省「平成24年度学校基本調査」
●高校3年生の84.2%が大学等に進学(27名/32名)
※大学・短大進学率(現役)全国平均:53.6%(出典)文部科学賞「平成24年度学校基本調査」
●中学3年生・高校3年生の91.7%が希望する進路に進学(67名/73名)

今後のビジョン「一人でも多くの子ども達のために」

皆様からのご協力のおかげで、176名の被災した子ども達を支援することができました。一方で、事務局には多くの被災家庭から悲痛な声が届いており、まだ支援は十分ではありません。私たちが今後取り組むべきことは極めて明快です。「彼らが大人になるまで、支援を継続すること」「一人でも多くの子ども達に教育機会を届けること」これらを通して、復興を支える「人」を育てていきたいと思います。

昨年の高校受験のときは、親孝行のためにも高校に進学したいと思っていましたが、学校でも勉強についていけなくなり、まわりの友達も塾に通い始め、焦りました。けれども塾に通うお金がかかると聞き、親孝行以前に迷惑をかけてしまうのではないかと悩みました。そんなときにバウチャーを利用して塾に行けることになり、少しずつ成績もあがってきました。無事に志望校に合格できたときは嬉しかったです。

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