※このページの情報は、2011年度のものです。最新の情報はこちらをご覧ください。
「津波で家は流されなかったんですけど、塾が流されて・・・」
コラボ・スクール1校目、女川向学館のある宮城県女川町は、住居倒壊率が82.6%であり、死亡・行方不明者率も9.4%と被害規模1位。町立第二小学校の児童の約9割が津波で自宅を流出し、11件あった学習塾もほとんどが休業しました。狭い仮設住宅の隅、1mの隙間で机に向かう子や、親が見ているテレビの音で勉強に集中できない受験生もいます。震災後、子どもたちの学習環境の悪化は深刻です。
住居倒壊率、学習塾の営業状態を鑑み、2校目には大槌町を選定しました。保護者に対するアンケート結果では、「自宅での勉強時間が減った」「精神的に落ち着いて勉強に集中できる場所が欲しい」などの声があり、56%がコラボ・スクールへの参加を希望しています。
「震災があったから将来を変えざる得なかった」ではなく
「震災があったから、今がある」へ
コラボ・スクールは、被災地の子どもたちに学習指導をする放課後の学校です。
(1)震災により限られた条件の中、学習環境が十分とは言えない児童生徒のまなびの場を保障するとともに、向学の精神を培います。
(2)教育委員会・小中学校・保護者・民間・NPOの力を活用し、児童生徒の学習をより豊かにすることによって、学習習慣の定着と、基礎的・基本的な学習内容がしっかりと身に付くように支援します。
(3)児童・生徒1人1人が、志を持ち、目標に対して努力できる人材に育つよう支援します。
(1)学力向上
子どもたちの学力向上を目的に、放課後の授業や個別指導を通じて学習支援を行います。
(2)子どもたちの居場所に
震災で傷ついた子どもの居場所となり、心の面でもサポートを行っていきます。
(3)さまざまな大人たちとの対話によるキャリア学習
学校では出会うことのない大槌町で働く人々や、講師の先生など様々な大人との触れ合いを通じて、彼らのキャリア観を醸成します。
女川向学館 2011年7月仮開校、2011年8月本開校
宮城県女川町では、避難所として使われていた校舎を借りて、小中高生約230人が通学。震災で失業した地元の塾講師たちが、夕方から1日3コマ週6日、英語・数学・国語などを教え、ボランティアスタッフが、自習室の運営や一斉指導についていけない生徒などの個別指導を実施しています。
後援:女川町教育委員会、女川学力向上委員会
大槌臨学舎 2011年12月仮開校、2012年1月本開校
岩手県大槌町では、公民館を借りて、本開校に向けて準備を進めています。今年度は、受験勉強したいけど、勉強する場所がない。一人だと勉強できない。そんな大槌町の中学3年生(約80人)を対象にボランティアスタッフの個別指導を中心に仮開校しました。
後援:大槌町教育委員会・岩手県教育委員会・岩手大学・岩手県立大学
<メディアにも掲載されました>
NHK「おはよう日本」、TV朝日「報道ステーション」、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、サンデー毎日、日経ウーマンなど 詳細はコチラ
女川向学館のアンケート調査では、「震災直後と比べて、勉強時間が2.7倍になった」「83%の生徒が、今後も向学館に通いたいと思っている」という結果も出ている。
(中学2年生の声)
向学館ができて、落ち着いて勉強することができるようになりました。ここで勉強したことを通じて、これまでやっていたお店やお祭りを復活させる力になれればと思います!
(中学3年生の声)
被災した直後は、勉強などできる状況ではありませんでしたが、今では向学館できちんと勉強できています。特に、ボランティアの方が個別で指導してくださるので、苦手な教科もだんだんと分かるようになってきました。
スタッフの雇用や送迎バスの運行など、学校を運営するための費用に使わせていただきます。
教壇に立つのは、被災した元塾講師など。女川向学館では、失業した地元住民を13名雇用して、給与を毎月支払っています。また、自家用車を失った家庭が多く、道路や街灯の設備も不十分ななか、学校や家との送迎用バスを運行。そのための地元バス会社への委託費用や、学習指導のための教材、冬季に使う石油ストーブの灯油などにも充てさせていただきます。
学習環境の悪化が深刻ないくつかの被災地からも、学校設立の要望をいただいています。「勉強したいけど、できない…」そんな子どもがたちが待つ東北の町に、学校を広げていくためには、1校で年間約5000万円がかかります。
1万円のご寄附で、1人の子どもが1ヶ月学校に通えます。ぜひご支援をお願いいたします。
NPOカタリバは、「教室に“社会”を運ぶ」をテーマに活動している教育NPOです。2001年に設立後、主に高校生へのキャリア学習の授業を行ってきました。大学生など“少し年上の先輩”と進路や将来などを語り合う、対話型のワークショップを実施。約450校の高校を訪問して、83000人の生徒を動機付けてきました。私たちのビジョンは、”生き抜く力”を備えた若年層にあふれる社会を実現すること。「震災という苦しく辛い試練を乗り越えた子は、誰よりも強くやさしくなれるはず」という想いから、被災地の子どもたちへの教育支援を模索。2011年7月に、新規事業としてコラボ・スクールを設立しました。
「教育を学校任せにせず、社会全体で支える」という団体理念のもと、教育委員会や町役場、小学校などと協働。地域みんなで創り上げる新しい学校から、10年後の日本にイノベーションを起こす人材の輩出を目指しています。
カタリバTwitter:https://twitter.com/katariba
カタリバFacebook:http://www.facebook.com/katariba
コラボ・スクールWebページ:http://www.collabo-school.net
女川向学館Twitter:http://twitter.com/kougakukan
大槌臨学舎Twitter:http://twitter.com/Ringakusha