子どもたちに、居場所機能を持った学習スペースを
仙台「学習スペース”Sりびんぐ”」・南三陸「中3受験対策”タダゼミ”」

震災後の課題

仙台中心部は目に見える部分では震災前と変わらぬほど復興した一方で、目に見えない経済格差が拡大しています。
沿岸部や福島県で直接的被害を受け引っ越して来た家庭も多く、経済的格差は子どもの不登校や中退にも繋がっています。
直接的・間接的震災の影響を受けた世帯、及び経済的に困窮している世帯の中高生とその保護者を対象に、学習支援を伴った居場所の提供、経済教育などを提供することで子どもの貧困を救済し、貧困の連鎖の予防が必要と考えています。
また、2011 年以降支援を続けてきた南三陸町には、塾などの教育サービスがほとんどなく進路に不安を抱えている子どもも多いため、高校・大学入試対策の無料学習会を通した学力向上と精神的サポートが求められていると考えています。

被災地での活動

被災地域から引っ越してきた家庭の多い仙台では、困窮世帯の中高生を対象に居場所型の学習スペース「Sりびんぐ」を開催しています。学習指導、軽食提供のほか、芋煮会・合宿研修などの体験活動を行っています。また、保護者に向けた生活・教育費等の相談、進路相談、親子関係サポートなど包括的な支援を提供しています。
震災の被害の大きかった南三陸町では、2011年より小学生~中学生に向けた支援を続けて来ました。特に高校受験を控えた中学3年生は、学校や家庭以外での学習環境が必要としているため、受験対策の学習会として「タダゼミ」を実施しています。また、2017年からは新たに、町内唯一の県立高校の中で「志翔学舎」という高校生向けの公営塾も運営しています。

おうち保育園2

これまでの成果

仙台市近郊の中高生110名と、南三陸町の中学3年生21人を対象に、受験指導や居場所づくりを行いました。
「Sリビング」には3~4年間継続的に通ってきている子どもが多く、学校でもなく、家族でもなく、第3の居場所が彼らにとって精神的な安定になっています。また具体的な成果として、学習支援を受けていた 高校 3 年生が、4 月よりカンボジアのキリロム工科大学に進学した例もあります。刺激を受けた後輩たちが、留学や企業との連携プログラムなど様々な新しい教育のチャンスに積極的に取り組み始めています。様々なしがらみを乗り越え、新しい地域を創り出す力を身につけた子どもたちが徐々に巣立っていっています。

今後のビジョン

仙台市は東北の中心であり、この先 10 年の東日本大震災の子どもたちへの支援を考えると、仙台市に拠点を持ち続けることは重要です。キッズドア仙台を中心に、震災により疲弊する地域の子ども支援を続けます。
震災直後から子ども支援を行っている南三陸町では、町と連携した様々な取り組みを行い、町の復興を担う人材を育てていきます。

運営団体について

特定非営利活動法人 キッズドア

キッズドアは、2007年の設立以来、日本国内の子ども支援に特化し活動しています。経済的に苦しい家庭、ひとり親家庭、また、児童養護施設や被災地で暮らす子どもたち、さまざまな困難な状態にあっても、夢をあきらめず、すべての子どもが将来に希望を持って活躍できる、それがあたりまえの社会になるように、企業・行政・法人・個人・学生のみなさまと手を携えながら、広く活動しています。

認定特定非営利活動法人フローレンス

住所
〒104-0033
東京都中央区新川2-1-11
八重洲第1パークビル7階
電話番号
03-5244-9990
Webサイト
http://www.kidsdoor.net/index.html