塾や習い事に通えなくなった子どもたちへ、教育の機会を
学校外教育バウチャー提供事業(公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン)

震災後の課題

震災から6年。いまなお、多くの子どもたちが経済的な困難を抱え、塾などの学校外教育の機会を得られずにいます。
東日本大震災の甚大な被害によって、多くの子どもたちが経済的な困難を抱え、学校外教育の機会を失いました。2016年度、被災地で学校外教育バウチャーの利用者を募集したところ、定員の7倍もの子どもたちから応募が殺到し、実に1,000名以上の子どもたちに支援を届けることができませんでした。被災家庭からは「震災後、主人の給料は減り、私(母親)の仕事も休業状態。ローンも積り、これ以上の無理ができません。子どものやる気に歯止めをかけてしまわないか心配です。」など悲痛な声が届いています。

被災地での活動

塾や習い事で利用できる学校外教育バウチャーの提供を通じて、434名の子どもたちの学びの機会を支えました。
被災した子どもたちに対して、塾や習い事等で利用できる学校外教育パウチャーを提供し、教育格差の解消に取り組みました。バウチャーは現金給付と異なり、使途を教育サーピスに限定する事ができます。また、大学生ボランティアが子どもたちと面談を行い、進路や学習、バウチャー利用に関する相談に乗り、子どもたちの成長を支えています。

【これまで6年間で延べ500名を超える子どもたちが進学を果たしました】

2016年度、高校・大学等に進学した子どもたちは99名となり、これまで6年間で延べ500名を超える子どもたちが進学を果たしました。また、2016年度の高校進学率は100.0% (全国平均:98.7%※)、大学進学率は80.0% (全国平均:54.7%※)となりました。これからも子どもたちが希望の進路に進めるよう、サポートしてまいります。
斑出典:文部科学省「平成28年度学校基本調査」

【大学生ボランティア数が100名を超えました】

子どもたちを定期的な面談でサポートする大学生ボランティアの数が100名を超えました。大学生ボランティアは子どもたちとより良い面談ができるよう、コミュニケーションやグリーフケア等の専門家による定期研修を受けており、研修の企画・運営も自分たちで行っています。子どもたちからは「受験勉強で疲れているとき、大学生ポランティアの方との楽しい面談が数少ない癒しでした。」といった声が届いています。

これまでの成果

子どもたちの夢や目標を支えるとともに、政策提言を行うための基盤を強化しました。
被災した子どもたち434名(小学生~高校生)に対して、学校外教育バウチャーを提供。また、2016年度はシンクタンクや専門家等と協働して、事業の成果を可視化するための調査に着手し、これによって、事業を改善するとともに、自治体や政府への政策提言を行なうための基盤を強化しました。バウチャーを受給した中学校3年生及び高校3年生が希望する進路先に進学した比率は83.8% (83名/99名)でした。
※アンケート回収率72.3%

今後のビジョン

一人でも多くの子どもたちに支援を届けるために、今後も継続的に活動に取り組みます。
学校外教育バウチャー事業は、事業規模が過去最大となり、バウチャー利用者数は年々増加しています。また、中長期的に被災自治体における学校外教育バウチャー事業の政策導入を進め、一人でも多くの子どもたちに支援を届けるために、調査や政策提言活動にさらに注力し、被災地の子どもの教育格差解消に向けて取り組んでまいります。そして、効果的に子どもたちを支えるために、大学生ポランティアによる子どもたちのサポート体制の改善等を行ってまいります。

メッセージ

震災後、知らない土地に引っ越し、中学生活になじめず悩む毎日が続き、将来に希望がもてませんでした。そんな中、高校受験の年にCFCの支援を受けて塾に通えることになり、母子家庭で育ててくれた母が少しても楽になるのではと思ったのを覚えています。不安て逃げ出したくなっだこともありましだ。それだけに、高校に合格しだときには、支援者の皆さんに感謝でいっぱいでした。そして高校3年になった現在、短大幼児教育科に合格することができました。これからも支援してくださった皆さんへの恩返しだと思って頑張リたいと思います。あリがとうございました。

運営団体について

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

チャンス・フォー・チルドレンは、阪神・淡路大震災で被災した子どもたちの支援を行ってきた特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーのひとつのプロジェクトとして2009年に発足し、経済的な理由で十分に学びの機会を得られない子どもたちに、教育機会を提供する活動を行っています。『すべての子どもに機会を。すべての子どもに夢を。』をスローガンに、学校外教育機会が保障され、すべての子どもにチャンスが与えられる社会を目指しています。

一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン

住所
〒662-0832
兵庫県西宮市甲風園1-3-12
カミヤビル3階
電話番号
022-265-3461
Webサイト
http://www.cfc.or.jp/