勉強する場を奪われた子どもたちに、学べる場を
コラボ・スクール(認定特定非営利活動法人カタリバ)

コラボ・スクール1

震災後の課題

震災から6年。子どもたちを取り巻く教育環境は厳しいままです。
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県女川町と岩手県大槌町では、未だ、約3割の子どもたちが仮設住宅に入居し続けている等、子どもたちを取り巻く教育環境は厳しいままです。また、2016年度より支援準備を開始した福島コラボ・スクールは、生徒の多くが長い県外避難生活を経験しており、学習支援や心のケアが必要な生徒も少なくありません。

被災地での活動

被災地の子どもたちのため、放課後の学習支援と心のケアを担っていきます。
未来を担う子どもたちに逆境を力へと変える「学習機会」と心のケアを提供するため、2011年よりコラポ・スクール女川向学館、大槌臨学舎を運営しています。放課後の学校として、基礎学力の向上や、子どもたちの居場所機能も担っています。また、福島県ふたば未来学園高校内での福島コラボ・スクールの立ち上げ準備を開始。高校内でのカリキュラムサポートも行っていきます。

コラボ・スクール2

【震災当時、中学2年生だった生徒たちが、成人式を迎えました】

2011年12月に大槌臨学舎を立ち上げたときの中学3年生が、2017年1月に成人式を迎えました。元生徒のひとりは「当時はあんな状況で、とても勉強する意欲なんてわかなかった。コラボの先生方との出会いが、その状況を変えてくれた」と語ります。混乱と絶望が続く中で高校受験に立ち向かった彼らは6年間で力強く成長し、町の復興を支える存在へと育ちました。

コラボ・スクール3

【英語教育や国際交流にも力を入れています】

女川向学館では、希望者がオンライン英会話の授業を受講しています。オンラインだけでなく実際に英語を話してみる機会として、2016年度はハワイから女川を訪れた中高生と交流するプログラムや、東京にあるアメリカの大学のサマースクール参加などのイベントが行われました。こうした取り組みの中で、英語学習のモチベーションや、海外への興味が生まれています。

コラボ・スクール4

これまでの成果

約300人の子どもたちに居場所と様々な機会を提供。学力や意欲の向上に繋がりました。
2016年度は、女川向学館・大槌臨学舎にて、園児から高校生まで293人をサポートしました(延べ利用者数は約3万人)。女川向学館では、年間を通して20回のキャリア学習・交流学習を実施。大槌臨学舎に通う中学3年生の100%が「コラポ・スクールを通じて、英語や数学の成績が上がった」と回答。また、福島コラボ・スクールの立ち上げに向け、教員との協働や放課後の学習会なども実施しました。

今後のビジョン

震災から7年目。今後のコラボ・スクールの在り方を検討するとともに、福島コラボ・スクールの立ち上げを進めていきます。
女川向学館、大槌臨学舎では引き続き子どもたちの放課後の居場所を提供しつつ、これから数年でハード面の整備が進み、震災復興の課題が大きく変わることを踏まえ、行政などの関係者とともに今後のコラボ・スクールの在り方を検討していきます。一方、立ち上げ準備を行ってきた福島コラボ・スクールは2017年4月に正式に活動をスタートしました。他拠点の知見を活かしつつ、「探究」という軸で子どもたちが成長することで震災の経験を自分自身の強さに変えていくことの支援にチャレンジしていきます。

メッセージ

私が小学3年生のときに東日本大震災が起こり、半年後から仮設住宅て暮らすようになリました。その仮設住宅の目の前にあったのがコラボ・スクール女川向学館です。女川向学館では友だちと楽しみながら勉強したり、先生方とたくさんの交流を深めました。中学生になって勉強が難しくなリ数学が分からなくなったときも、向学館の先生はひとつひとつ教えてくださリ、無事に第一志望の高校に合格することがてきました。向学館の先生と友だちと親、そして寄付してくださる皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、高校でもがんばっていきます。あリがとうございました。

運営団体について

認定特定非営利活動法人カタリバ

NPO力タリバが取り組む社会課題は、未来を生き抜く意欲や能力が、生まれ育った環境によって左右されてしまうことです。すべての子ども・若者が、自ら思い描いた未来を切り聞いていけるために、私たちが育てるのは「生き抜く力」です。
首都圏をはじめ全国では、高校生の心に“火を灯す”キャリア学習プログラム「力タリ場」を、東北では、子どもたちのための放課後学校「コラボ・スクール」などを展開しています。

認定特定非営利活動法人カタリバ

住所
〒166-0003
東京都杉並区高円寺南3-66-3
高円寺コモンズ 203
電話番号
03-5327-5667
Webサイト
http://www.katariba.or.jp/