子ども一人ひとりに合わせた居場所づくりとサポートを
みなみそうまラーニングセンター（特定非営利活動法人トイボックス）
震災後の課題
震災から6年。様々な課題を抱える子どもたちへのサポートが不足しています。
被災地各地で復旧・復興が進む中、南相馬市でも除染が進み避難指示の解除が行われるなど、一定の環境改善が進んでいます。しかしながら、発災時の混乱の影響は子どもたちの発達に末だに大きな影響を残しています。南相馬地域の復興に向けては、子どもたちと家族が円滑に日常生活を送ることができる環境づくりが必要ですが、100名を超える待機児童が発生するなど、新たな課題も発生しています。また、あらゆる業種において人材不足が続いており、様々な課題を抱える子どもたちに十分なサポートが提供されていない状況が続いています。
被災地での活動
家庭や地域との連携で 幅広いサポートを。
「みなみそうまラーニングセンター」を拠点に、発達障がいなどの様々な課題を抱える子ども等も含めた地域の子どもたちのサー ドプレイスとして、学習や生活支援を行うとともに、自立を育む機会として様々な行事を行っています。そして、学校・地域•関係機関との連携を強化し、幅広い協力体制を築いています。また、地域の待機児童解消に向け、小規模保育事業開始に向けた準備活動も行いました。
【安心して子育てできるよう、保護老へのサポートも実施】
毎月1回土曜日に臨床心理士の先生においでいただき、保護者の皆様同士で気軽に交流していただいたり、日頃子どもに対して悩んでいること、困っていることなどについて相談していただける「いどばたカフェ」を開催しました。保護者の方からは「ゆっくりお話できてよかった」「子どもと遊んでもらえて助かる」等の感想をいただきました。
【子どもたちが達成感や自信を感じられるようなイベントを実施】
ハタチ基金の寄付企業より、「ペーパークラフト自販機キット」のご寄付をいただきました。センターの職員と子どもたちで作成に取り組み、苦戦しつつも職員と協力しながら、無事に完成させることができました。このように、子どもたちが達成感や自信を得られるよう、工夫を凝らしたイベントを実施しています。
これまでの成果
約30名の子どもたちをきめ細やかに支援。教育事業者の一員として、原町にこにこ保育園の立ち上げ準備を実施。
ラーニングセンター事業では、年間231日活動を行いました。発達課題などを抱える約30名の子どもたちが在籍しています（延べ利用人数は1,223名）。また、子どもの発達や子育ての悩みなどについての相談件数は169件でした。同敷地内に原町にこにこ保育園を開設するにあたり、2017年1月から3月にかけて施設の改修工事を行い、それと並行して行政への申請作業・人材募集・研修を行いました。
ビジョン
南相馬市と協働しながら、安心して子育てできる環境作りに貢献。
これまでの支援事業を通じて信頼関係が築かれ、行政と正式に協働を進める事ができるようになりました。その中で「みなみそうまラーニングセンター」の運営に加え、地域からの要請を受け、2017年4月には小規模保育施設「原町にこにこ保育園」を開園いたしました。また、2015年度より、慶応義塾大学大学院の伊藤健先生による事業評価を実施しています。その内容も指標としつつ、ひき続き子どもたちに寄り添った支援を続けてまいります。
メッセージ
保護者の皆様からは、「集団に入ることが苦手だった子が、お友達に『遊ぼう』と声をかけ、自分から集団を作ることができるようになりましだ。」「一人っ子てすが、センターで年下の子の面倒をみている姿を見て成長を感じましだ。」「 あまり身体を動かすことがなかったのですが、センターでは積極的にサッカー等を楽しんでいるようです。」進路で悩んでいだ時期に、先生に相談に乗ってもら尤て心強かったです。」「親に言えない悩みも、センターの先生には言っているようてす。」といったお声を多数いただいております。
運営団体について
特定非営利活動法人トイボックス
さまざまな分野の専門家が集まり、教育・エンターテイメントからまちづくりやソーシャルクリエーションまで、多くの活動領域を持つNPOとして活動しています。
トイボックスの教育部門であるスマイルファクトリーは現在、大阪府池田市から委託を受け、公教育とNPOの連携としては日本で初めてとなる公設民営の「がっこう」として不登校・ひきこもり・発達障がいなどを抱えた子どもたちや親の支援を展開しています。
- 住所
- 〒563-0029
大阪府池田市五月丘5-3-18 - 電話番号
- 072-751-1145
- Webサイト
- http://www.npotoybox.jp