被災地からのメッセージ

2つ上の兄の影響でサッカーをはじめたのですが、小学校のときは、登校するときの服装も靴も全部がサッカー専用のものでした。小さい頃からサッカーの日本代表や海外でプレーするという夢がありました。地震については、宮城県沖の地震のことがT Vで流れていて、内陸で地震は起きていたけど、まさか、自分の町が被災地になるなんて思いもしませんでした。

小学校6年のとき、卒業式練習を終え、教室に戻った時に地震が起きました。校舎は高台にありましたが、校庭からでも海が見える高さにあったので、津波の音も、家が壊れる音も聞こえました。雪が降っていたので、寒さ避けと、津波が見えないようにブルーシートをかけられました。その後、学校よりもさらに高台にある体育館で一夜を過ごしました。僕の家の3軒下で津波が止まっていて、同級生32人で家が水に浸からなかったのは、僕を含め2人だけと、複雑な気持ちでした。

震災で中学校に入学してすぐはサッカーをできないと考えていたけど、全国からボールが届き、練習する事ができて本当に嬉しかったです。中学2年にあがる頃、サッカーと勉強の両立を考えて、コラボ・スクール女川向学館に通うようになりました。その後、向学館に2年間お世話になり、先生達のおかげで高校に進学する事ができました。支援してくれた方に恩返しができるとすれば、一日一日を精一杯生きて、夢を叶え、活躍を見てもらう事だと思います。夢を叶えた自分の姿を見て欲しいです。


宮城県石巻商業高校1年 / 千葉洸星 / コラボ・スクール