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2022.02.19
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生まれ育った環境によって、挑戦の機会が奪われてはならない。岩手県花巻市を拠点とする「NPO法人はなのば」が今年度新たに始めたのが、無料カフェ「キャリカフェ」。10代の若者の居場所支援の一環として開設しました。 居心地の良い空間と温かい対話が、子どもたちの意識をどう変えたのか。 事業の裏側と現場で起きたリアルな変化を、はなのばの田代真由子さんに伺いました。

NPO法人はなのば 理事 田代真由子さん
岩手県花巻市出身。岩手大学教育学部を卒業後、広域通信制高校を運営する会社に就職。入社3年目で東日本大震災を経験。近隣の避難所で、帰宅できない高校生たちと一夜を過ごした。様々な背景を持った高校生たちと関わることで不登校支援や高校生の居場所づくりの必要性を実感。2023年NPO法人はなのばを仲間と設立。フリースクールの立ち上げに尽力し、翌年NPO法人の理事に就任、以降地域の不登校支援に携わる。主な担当事業として、ユースセンターの運営や地域の子ども支援ネットワーク事業の新規立ち上げにも携わっている。
「NPO法人はなのば」について
岩手県花巻市を拠点に活動。前進は不登校の子ども・若者たちのためのフリースクール運営。どんな背景をもつ子ども・若者であっても「やってみたい」「挑戦してみたい」という気持ちを大切に、一歩を踏み出すための機会を作っている。主に、「居場所支援」「学習支援」「子育て家庭支援」の3つの柱を中心に事業を展開。
ひとつの地域で混在する 東日本大震災への意識の差
岩手県花巻市は、全国的には「東日本大震災によって被災した地域」というイメージが強い一方で、内陸での被害規模は小さく、花巻市で育ってきた子どもたちにとって、震災はもはや“他人事”となりつつあります。一方で、沿岸部で被災を経験し移り住んできた家庭や、家族が復興に関わる仕事をするためこの地域で暮らしているという家庭も混在しています。
そのため、子どもたちの間で災害に対する意識の差を感じることも多々ありました。沿岸部から移り住み、現在は災害復興住宅に住んでいる子どもが「当時のことを話しても興味を持って聞いてくれる子がいない」と話していたことが印象的でした。
今後の人生の中で「被災した地域出身」といったように触れられる機会もあると思うので、自分たちの地域で起きた震災のことをきちんと学ぶ重要性があると感じています。
また、全国各地で災害が発生する昨今の状況からみても、いつどこで被災するか分かりません。この地域について「学ぶ」ことで防災への意識が高まり、自身の生き方やキャリアを考える機会にもつながればと考えています。
10代の若者が“やりたいことに挑戦できる”無料カフェ
私たちは、2023年より、不登校になった中高生を対象としたフリースクールを運営しています。学校に行けなくても、勉強やスポーツ、趣味など「やりたいこと」はあるはずです。安心して過ごせる居場所をつくり、挑戦を後押しできるよう「いわて南ユースセンター キャリノバ」を開設しサポートしています。

今年度からは、10代が自由に過ごせる無料カフェ「キャリカフェ」をスタート。ただくつろぎに来ても良し。創作に打ち込んでも良し。新しい出会いを求めても良し。思い思いに過ごせるカフェをつくりました。
キャリカフェでは、不定期で防災を学ぶイベントも開催しています。災害があった地域で暮らす一人としても、楽しく防災を学んで地域への理解を深めていってほしいです。

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今年度はハタチ基金の助成のおかげで、定期的に活動を継続させることができています。駅近くの施設を借りることできることで、人が集まりやすく、高校生たちの活動にプラスになっています。また、イベント時には有償ボランティアとして地域の大人たちの協力が得やすくなり、活動の幅や関わる大人の幅が広がっています。
「自分」から「他者」「社会」へ 視野が広がる子どもたち
防災への意識を少しでも持つための機会をつくる中で、子どもたちが災害についてのみならず、世の中で起こっているニュースや出来事にも関心を持つようになったと感じています。自ら話題にあげ、同世代と対話するようになり、改めて「知る」機会の大切さを私たちも学ばさせてもらいました。
また、こんな変化も。ある高校生が「他高校(通信制の高校)ではボランティア情報が生徒たちに伝わらないと困っている」ということに問題意識を感じ、「キャリカフェのSNSを利用してボランティア情報を発信してあげてはどうか?」と提案してくれました。自身も、ボランティア活動を通して自分の成長に気付き、今度は誰かのために何かしたいと考えたようです。自分に直接関係がなくても、同世代の助けになりたいと動けるようになった変化。現在はボランティア情報の収集と発信方法について、仲間と議論を重ねています。
私たちやキャリカフェに集う人たちとの関わり合いの中で、子どもたちが課題と向き合う時の主語が、「自分」から「他者」や「社会全体」へと変わってきているように感じています。中には、視野が広がってきたことや自身の経験から、他の若者にも同じように成長して欲しいと考え行動に移せるようになってきた姿も見受けられます。
地域に貢献できる大人になるための土台づくり
どの地域でも「やってみたくても一歩踏み出せない」という子どもたちはいると思います。一歩を踏み出すためには、地域の大人による支えが必要です。私たちは、大人たちを巻き込みながら、子どもたちを見守る土台づくりを行っています。様々な背景を持つ中高校生のチャレンジを応援できる仕組みづくりは、最初の挑戦です。今後も継続的にご支援をいただけますことをよろしくお願いいたします。
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