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より最適な家庭支援を目指して~第四回 仙台保育ソーシャルワーク情報交換会レポート~【おうち保育園仙台】
2021年1月14日

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フローレンス主催の「仙台保育ソーシャルワーク情報交換会」では、団体や地区の枠組みを越えて、仙台市内の小規模保育園で働く先生方を中心に、他県の先生方ともオンラインで繋がりながら、より良い家庭支援について情報交換を行っています。

先日開催しました第四回仙台保育ソーシャルワーク情報交換会では、「保育ソーシャルワークのしくみを整えることで家庭支援にもたらされた変化」をテーマにお伝えしました。
本日は、その様子をご紹介します!

◎保育園が担う「保育ソーシャルワーク」の目標と課題

「困りごとを抱えている保育園利用家庭が、今よりも過ごしやすくなるよう、支援スタッフが課題について一緒に考え、サポートを行う」保育ソーシャルワーク。保育ソーシャルワークでは、通常 保育園で行う保護者支援に加えて、より相談支援・ソーシャルワークの専門的な視点を持って親子や家庭の課題へアプローチしていきます。

「保育ソーシャルワークとは?」についてより詳しいご紹介はこちら

保育園利用家庭の中には、「課題を抱え、自分たちだけでは解決手段がわからず悩んでいる方」「他人に悩みを相談できず苦しんでいる方」など、様々な困りごとを抱えているケースがあります。

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保育ソーシャルワークが行うのは、これらの課題の早期発見を行い、その課題の深刻化を食い止め、課題の負の連鎖を断ち切ること。最終的には、親子がより健やかに暮らしていける状態を目指しています。

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家庭支援は保育士、栄養士、事務スタッフなど、保育に関わる全ての人がチームとなり、協働し行っていくものですが、医療ソーシャルワークなどの他の分野のソーシャルワークと比べると、保育ソーシャルワークの歴史は比較的浅く、マニュアルの整備が進んでいなかったり、そもそも園への保育ソーシャルワーカーの配置が進まなかったりと、まだまだ体制がしっかり整っている状態とは言えません。

そのため、課題が深刻化する前に困っている家庭のサポートを行いたい、と思う保育スタッフたちも、「ご家庭の様子が気になるけれども、おおごとにするほどではないかもしれない」「保育園だけでは対応できない問題を、どこに相談すればよいのかわからない」「家族が何に対して課題を感じているのかが見えづらい」と、対応に悩んでしまう場合があります。

では、どのようにすればこれら保育園が抱える課題が整理され、家庭が必要としている支援を見出し、より良い支援へと繋げていくことができるのでしょうか?

◎「解」は一つだけではない! より良い家庭支援を目指して

フローレンスの保育園でも保育ソーシャルワークをスタートした当初、「どの程度の課題感で、児童相談所などの関連機関へ連絡してよいのだろうか」という葛藤がありました。
また、実際に保育ソーシャルワークを行っていくにあたり、支援を行う上で様々な課題があるということが浮き彫りになるとともに、ご家庭に対して必要となってくる支援も多岐にわたるのだと明らかになってきました。

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そこで、まずは保育ソーシャルワークのしくみを整えることに注力することにしました。

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例えば、家庭が課題を抱えているかもしれないという懸念がある場合は、行政の資料をもとにフローレンスが作成した独自のシートを用いるようにしました。
シート内の項目をチェックしていくことで、その家庭が抱える課題について客観的な情報の整理を行うことができます。
これにより、親子の課題の見える化に成功しました。
この他にも、支援内容の記録方法を統一し、スタッフ一人ひとりが、誰が見ても必要な情報がきちんとわかる記録を取れるよう研修を実施し、改善していきました。
このように保育ソーシャルワークのしくみを整えていくことにより、各家庭が抱える課題が見えやすくなりました。

課題は家庭の状況によってで変容していくものですが、その様子がよく見えるようになったことで、「今、ご家庭が本当に必要としていること」にも気づくことができ、関係機関とのスムーズな協働など、必要な支援の方向性を導き出しやすくもなったのです。

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親子を取り巻く貧困、虐待、孤育て問題などの課題。2020年には新型コロナウイルスの感染拡大によって、より孤立化が進むなど、これからも社会は激しく変化し続けます。
各ご家庭が抱える課題も多様化し、それに伴い、これからの保育現場ではより多様で柔軟な、子育て問題への対応力が求められてくるはずです。
保育ソーシャルワークは、今まで保育園で行ってきた家庭支援に、ソーシャルワークの視点を加えた新しい支援の形です。そして支援の正解は、一つとは限りません。
家庭支援をしていく上でいちばん大切なことは、常に様々な視点を持ったチームで「より良い家庭支援とは何か?」について追求していく姿勢を忘れないことなのだと、今回の情報交換会を通じて改めて思いました。

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