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活動レポート
2022.10.25 石巻の子どもたちが自分自身にや地域の未来に希望を持てるように【一般社団法人まちと人と】~新・助成先団体紹介 vol.3~

2022年度のハタチ基金の助成先となったのは、新たな団体も含めた13の団体です。
今回ご紹介するのは、宮城県石巻市で活動する「一般社団法人まちと人と」

石巻の高校生から若手社会人まで、自分が挑戦したいことを思い描きながら実践へと繋げられるように、地域と連携をしながらサポートをしています。
まちと人との斉藤誠太郎さんより、活動紹介とメッセージが届きましたのでご紹介します。

斉藤さんの活動の様子(左から2人目)

斉藤 誠太郎 (さいとう せいたろう) さん

一般財団法人まちと人と代表理事。北海道北見市出身。大学卒業後、バックパッカーとしてユーラシア大陸横断を行い、その後東京都内の企業で営業職として勤務。2013年、震災後の石巻の街づくりやコミュニティづくりを行う、一般社団法人ISHINOMAKI2.0に参画し、「地域×教育」を軸にして活動をしている。2022年3月、一般財団法人まちと人と設立。高校生がまちを知りアクションを起こして学ぶ「いしのまき学校」や、石巻市の公立高校の授業サポート、若手社会人の育成を地域ぐるみで行う「石巻人事部」等、地域で若い力を育むための事業を立ち上げ活動する。

きっかけは東日本大震災直後に出会った高校生の声

私たちの活動の原点は、東日本大震災直後に出会った高校生の「自分たちも何かしたいけれど、どうすればいいのかわからない」という声でした。その言葉を受け、私も参画している一般社団法人ISHINOMAKI2.0の教育事業として、高校生の主体性を育み、応援する場所として「いしのまき学校」がスタートしました。地域の大人と関わりながら、自分の価値観を育み、自分らしいアクションが生まれる仕組みを整え支援をするプロジェクトです。2022年に設立したまちと人とでは、事業の柱としてこの取り組みに力を入れ、高校生個人の支援と高校授業のサポート、その両輪で活動内容を充実できるように進めています。

石巻の子どもたちを取り巻く環境では、「自己効力感、自己肯定感の低さ」「キャリア発達の不十分さ」「石巻の高校生を育み、高校生の期待を生み出す環境の欠如」が大きな課題として挙げられています。学校も、従来の教室内だけでの学びのスタイルに限界を感じ始めており、もっと身近な社会である地域と学校が協働した学びの場が必要だと考え、私たちと連携し変化を生み出そうとしています。石巻でも少しずつそういった協働による教育活動が生まれつつありますが、まだまだ模索の段階です。

次世代の担い手が地域から出ていく課題と向き合って

石巻は宮城県の沿岸部に位置しており、震災当時も津波による被害が大きかった地域です。震災以降は、以前より課題だった人口流出にも拍車がかかり、次世代の担い手となる若者たちの流出も加速しています。実際に、石巻市近隣地域では、地元就職や地元進学率が低く、令和2年の進路希望調査でも約79%が市外への就職や進学を希望しています。

いしのまき学校の「推し探」 自分の興味関心等と合いそうな地域の大人に出会うプログラム

現在、石巻の高校生を対象に、自分の未来への希望を持ち、自らの意思で望む未来を手に入れることを目的とした教育活動や、高校と連携をして総合学習などの授業を実施しています。その過程で、地域やそこで生きる大人たちと高校生を繋いだり、その中で学びを得る機会を提供しサポートをしています。高校生が地域のことを知りながら、多様な生き方を大人たちから学び良質な出会いを繰り返すことで、自分自身も触発されて将来に希望を見出し、自分たちが住む地域の魅力に気づいてくれることを目指しています。

いしのまき学校「ロックンロール国際交流会」 異なる国の文化を知り、交流を深める中で自分の価値観や興味関心を考えるプログラム

自分の意思で自分が望む未来に進む力を手に入れる

現代の子どもたちは、自分が何に興味があり何をしたいのかなど、自分自身について理解していないことから自分のことを卑下してしまい、挑戦する前に「出来ない」と諦めてしまう人が多い印象があります。そのような状況から、私たちが支援するプロジェクトに参加する中で、自分の価値観や未来について考えることができるようになり、自分からアクションを起こしたり、自分の意思で自分が望む未来に進む力を手に入れられるように。その世代ごとのニーズに合わせたきめ細やかなサポートを行っていきます。

【「石巻」を舞台に、地域の大人と関わりながら、高校生が主体性を発揮し将来像を考えるプロジェクト「いしのまき学校 in IRORI」に参加した高校2年生の声】

最初は、誘われたからとりあえず行ってみるぐらいの気持ちで、正直興味があるかどうかは分かりませんでした。参加してみると、活動の中で自分の興味のあることが段々とわかってきて、自分の好きなものについて地域の大人と一緒に盛り上がったりなど、気づいたら継続して参加してしまうくらい好きな場所になっていました。元々人見知りで、人と話すことがあまり得意ではなかったのですが、いしのまき学校に参加してからは人と話すことに抵抗がなくなり、自分が変わっていくのが感じられ、それが楽しかったです。学校でも家でもないもう一つの居場所を、いしのまき学校で見つけることができました。

高校生と社会人の対話型授業「ミライブラリー」 社会人が自分の人生を1冊の本に見立てて話し、その中で高校生が自分の未来について考えるプログラム

■寄付者の皆さんへのメッセージ

私たちの活動は、子どもたちが自身の力で自分自身の未来を切り拓き、地域を変えていくための実践と成長の場として、これからも必要な事業だと考えています。
しかし、この活動は資金調達が難しく、活動を続けるための資金が足りていないのが現状です。いただきましたご寄付は高校生の未来のために大切に使わせていただきますので、温かいご支援をよろしくお願いいたします。


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