被災地からのメッセージ

十年後の自分へ

今、この手紙を読んでいる君は何をしていますか。どこにいますか。誰といますか。十年後だから、私はもう25〜26歳になっているでしょう。でも15歳の今の私には、将来(今日読んでるこの時)のあなたが何をしているのかもどこにいるのかも誰といるのかも、全然まったく少しも予想がつきません。なぜなら、私は中学生活最後のこの「やくそく旅行」で、自分には、とてつもなく大きな無限の可能性が広がっているということを学んだからです。
今日の午後行うプレゼンのために、とても辛く大変なことが多い旅行でしたが、とても良いプレゼンができそうです。どんなプレゼンをしたか覚えていますか?一昨日に聞いたヤマト運輸の松本さんから聞いた“まごころ宅急便”から、注目される世代(ターゲットだけに注目するのではなくて、新たな視点から、陰の部分にいるような人たちに光や希望を与えること、そして昨日の「BIG ISSUE ビッグイシュー」というホームレスの方々を支援する方々やホームレスの方々を見て感じた「立ち上がらない人」と「立ち上がる人」と「立ち上がることを支援する人」の立場があること。これらのヒントを参考に、“今、復興について、私たちができること”は大槌のためにはたらく大人達に「ありがとう」と「頑張れ」を言うことだと確信しています。何が正解で何が間違いなのか、15歳の今の私にはわからないけれど、でも、今はこれでいいかなと思ったりもしています。なぜなら、たくさんの意見があるからこその世の中だからです。この3〜4日間でとてもたくさんのことを学びましたが、どの方も自分なりの独自の考えがあって、信念がある、そんな人達ばかりでした。だから、25〜26歳の君にも、何でもいいから何か1つだけ、信念(できれば例がないような大きなことで、誰も考えつかないような、私にしかできないこと)を持って、その達成に向かって歩んでいてほしいと望んでいます。
考え方とか夢とか、全然変わっているかもしれないし、過去の自分にあれやこれやと言われるのは嫌かもしれないけど、今、3月20日、この時の私は、ぜひ将来の自分が誰かのために役に立つことをしていることを願います。そして何よりも自分がやっていてやりがいを感じること、楽しいと思えること、その職業を自信を持っていること、そんなことが達成できていたら、喜びます!笑でも、自分ならできると思います。だから、諦めるな!立ち向かって、くじけてもくじけても何回も立ち上がって頑張って前を向いて!君の向かう先にはきっと明るい未来が待っています。そして何より、その未来を作るのは自分です。それがこの約束旅行を通して学んだ一番のことです。こんな考えを持っていた自分のこと、どうか忘れないでください。


中学3年生(岩手県大槌町)
夢の実現に向けて一歩ずつ

私は二年前の東日本大震災の津波で家を流されてしまいました。今までの生活とは一変、もちろん自分の部屋もなくあまり自由のない暮らしを二年間し、その間何度となく震災を恨みまた悔しくも感じてきました。そして約一か月前やっと新居も見つかり少しずつではありますが以前のような生活ができるようになりました。
私の夢は商品のデザインや企画、それに伴う設計を行うことです。特にアイデア商品の企画を行う仕事に従事することが夢で、高齢者や身体障害者の方の自立支援につながるような物を作りそれを使って自分で何かが出来た時の喜びや達成感を自らの目や手で味わってもらいたいのです。震災当時、特に高齢者の方や障害を持った多くの方々はとても辛くうしろめたい日々を送っていたのではないか。そして今もなお、多くの方々が前向きな気持ちになれないままでいるのではないかと感じています。そんな時にでも、ほんの一瞬でも気が紛れ楽しさを感じながら手先や思考力を使うような何かを作りたいと考えています。その為の自分自身への今後の課題はその何かを見つけることです。それを見つけるために、私は様々な体験や経験を積まなければなりません。今以上に感性を磨き色々なものを見て、触れて感じて時代の流れに沿った新しい文化を学んでいきたいと思っています。


高校1年生(宮城県石巻市) / チャンス・フォー・チルドレン
人を助ける医療系の仕事に就きたい
中学3年生になる直前に、大震災に遭いました。
大事なものを失い、受験生という意識が全く持てない中、12月にコラボ・スクールができました。
遅れていた3年の勉強、教科書がなくてできなかった1、2年の復習など、休みの日には自習室もあり、勉強にすごく集中できました。
勉強以外の事もたくさん教わり、私の生き方も変えてくれました。
約束旅行では、女川の友達もでき、将来を考える中で、人を助ける医療系の仕事に就きたいという夢が強くなりました。
高校では必死に勉強して、自分の夢を叶えたいです。

中学3年生女子(大槌町) / コラボ・スクール
H23.3.11―あの日、大地震と津波が私の町を襲い
見るも無惨なものでした。
「前に進まなければ」と、自分に出来ることを模索していた折、コラボ・スクール講師の依頼を受け、自分にできることは「これだ」と思い参加を決めました。
震災前は”商売敵”だった、町の塾講師や家庭教師が、「子どもの教育を早く何とかしなければ」という強い絆で結ばれ、ともに町の子どもたちの救済に乗り出しました。
2年目を迎える今、町ぐるみで向学館を進化させ、子どもたちを育てていきたいと思います。

女川向学館講師 山内哲哉 / コラボ・スクール
東北の高校生は、震災を通して得た境遇と葛藤を語り合うことによって、理解し合えるのか。
被災地いわき市に暮らし、津波被害、風評被害、原発に伴う帰宅困難を身近に感じながら、それらの被災者とのギャップを感じていた僕にとって、様々な形で被災者として生きる同年代の学生達との邂逅の機会は願ってもないことでした。
そこで僕は、同期生の胸が締め付けられるような体験の告白に、一人一人が心を寄せ、相手を解ろうとする姿をキズナハイスクールの中に見ました。
引け目を感じて敬遠してはならない。
キズナから半年が経った今も、心のなかで震災と向きあう時、キズナハイスクールで得た感動と教訓の数々が思い出されます。
貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました。
東北のため、僕達も出来ることを精一杯やっていきます。

高校3年生男子 / キズナハイスクール
震災後、放射能の影響により外での活動時間が制限されている中、ラーニングセンターに通っている子どもたちは卓球やバドミントンなどで思う存分運動することができ、とてもよい気分転換になっています。
また勉強が苦手な子が、ipadなどを使用すると集中して学習するようになり理解力が上がっています。
そのことで自信がつき自ら学習する姿勢ができています。
ご支援、本当に、ありがとうございます。

現地スタッフ 鴫原明子 / みなみそうまラーニングセンター
ipadを使って漢字を勉強したり、プリントをやりたいと自分から自主的に学習したりする姿に感動。
こんな姿は今まで見たことがなかった。本当に助かっています。
設備も整っていて、安心して遊ばせたり勉強させたりできて、
安心して子どもを預けられる場所ができたので家族みんなで喜んでいます。
こんなによくしていただいていいのかなと思うくらい、
本当に助かっています。

私の将来の夢は保育士になることです。
この夢は、東日本大震災を経験して決定することが出来ました。
その理由は、避難所生活を送る上で、私が一番年上の存在となっていくことでした。
一番上なので小学生から幼稚園の子、そしてまだ2歳や3歳の子、たくさんの子どもと遊んできました。
この事をきっかけに、もっと勉強して保育士になるための資格を取ろうと思いました。
だからこの夢は、どんなことがあっても叶えたいと思っています。

中学2年生女子(石巻市) / チャンス・フォー・チルドレン
日頃子供達は、淡々と振る舞い、現場で目に見えて傷を見せることはありません。「ありがとうございましたっ♪」と明るく健気なものです。
しかし、やり取りを続けていくと彼らの成長を肌で感じます。
被災地でのさまざまな支援を理解し感謝していますし、自分の未来への志をしっかり持っています。
これからも寄り添いながら、彼らが夢に近づけるよう支援を続けます。
皆様の温かいご支援を誠に感謝しております。

教育支援員 永井涼さん / 希望のゼミ
「僕は将来看護士になって
“たくさんの人を助けたい”という夢があります。
そうなりたいと思ったのは、この震災を経験したからです。
その夢や大槌のために、今自分が出来る事を考えました。
“高校生は、子どもじゃない”とよく言われますが、
出来る事は限られてます。
だから僕は、自分が出来る事を積極的にやっていこうと思います。
自分が出来る事は、様々な人と出会い、様々な経験をする。
そして、様々な考えが自分を成長させてくれる。
その事を僕はコラボ・スクールで学びました。
コラボ・スクールで、たくさんの人に出会い、経験した結果、
僕は前よりすごく成長したと思います。
なので、キズナハイスクールは、
僕にとって、自分を成長させてくれる場だと思いました。
キズナハイスクールでの経験を、将来の夢や大槌の復興に役立てたい!
色々な人と関って成長したい!
これが僕のキズナハイスクールに参加したいという決意です」

高校1年生男子 / キズナハイスクール
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