2013.10.28
2019年も残りわずか。
ハタチ基金の助成対象であるチャンス・フォー・チルドレンより、今年1年の皆さんへの感謝のメッセージが届きましたのでお伝えします。
チャンス・フォー・チルドレンは、被災による経済的困難を抱える子どもたちに、地域の学習塾や習い事で利用できるスタディクーポンを提供しています。人と人との関わりの中で、被災地域では“ある変化”が起きているようです。
チャンス・フォー・チルドレン(CFC)代表の今井悠介です。2019年も活動を支えていただき、本当にありがとうございました。
東日本大震災発生後に法人を設立し、これまでCFCの活動に携わってきて、この活動の良いところは「関わり方が変化し続ける」ことだと感じています。特に近年は、印象的な出来事がいくつもありました。
私たちは、ある石巻市出身の中学生の女の子と、2011年に出会いました。高校卒業までの4年間はクーポン利用者として、大学入学からの4年間はCFCの大学生ボランティアとして、関わってくれました。そして昨春、大学を卒業した彼女は、地元の石巻市に戻り、中学生のころからの夢だった管理栄養士として、被災した地域の人たちを支えています。
また、CFCでは近年、3名の職員が入職しました。いずれも大学時代、仙台事務局でボランティアとして活動してきた面々です。企業や行政などへの就職を経て、その経験を生かしてCFCの団体運営に携わっています。
この他にも、大人になって、毎月の寄付を始めてくれた元クーポン利用者。寄付だけでなく、ボランティアとしてかかわり始めてくれた寄付者の方。一人ひとりの関わり方は、変化しつつづけています。
CFCは支え合いのコミュニティです。「支える側」と「支えられる側」といった、固定的で明確な隔たりを作るのではなく、その関係性は常に変化し続けます。支えていた人が支えてもらうときだってある。支えていると思っていた人が、実は自分自身が支えられていたということに気づく。そんな風に、共に支え合える関係性を広げていきたいと思います。
何より、私たち自身、子どもたちの頑張りからいつも力をもらい、支えてもらっています。きっとそのように感じてくださっているサポーターの方も多いのではないのでしょうか。
©Natsuki Yasuda / Dialogue for People
先日、東日本大震災で被災し、3年前までCFCのクーポンを利用していた宮城県のお子さんから、お手紙をもらいました。彼女は、昔から医療の道を志していたのですが、現在は医療系の大学で薬剤師になるべく勉強に励んでいるとのことで、夢に向かって前向きに過ごせていることを嬉しく思いました。またお手紙の最後には、「いつか何らかの形で皆さんに恩返ししたい」と記されており、子どもたちが成長するにつれて、ますます支え合いの輪が広がっていく兆しを感じています。
これからも、この支え合いの輪を広げてまいります。今後とも、応援のほどよろしくお願いいたします。
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